次のミシュラン巡りは、1つ星の広東料理のお店「大班楼」にやってきました。
人気のレストランで、なかなか予約の取りにくいお店で、一週間前に予約の電話を入れましたが、キャンセル待ち。で、3日前になって、やっとというか、ギリギリになって、「テーブル空きましたよ」との電話があり、行く事が出来ました!
このお店のある場所は、中環・九如坊。
どちらかと言うと、上環(ションワン)に近い場所なのですが、この近辺には、結構、押さえておきたいレストランやHOMELESSといったインテリア屋さんが集まっています。
お店は、蓮香楼の横の坂道を上り、名人坊のあるランカイフォンホテルの角で、右に入った道の奥にあります。このお店目当てでないといかない奥まった場所に構えています。
場所も奥まっているのですが、お店の外観も派手さが一切無く、地味な面持ちになっていて、お店の存在をしらなければ、そのまま前をただ通り過ぎてしまうかもしれません。
さて、メニュー選びですが、今回はアラカルトで行きますが、セットメニューが各種あるようです。看板メニューも入っているので、メニュー見てもよく分かんないやぁ、という時には良いかもしれませんね。
- 夕食セットメニューA 4名から 一人558香港ドル
- 夕食セットメニューB 8名から 一人668香港ドル
- 夕食セットメニューC 8名から 一人758香港ドル
- 二人用夕食セット 一人498香港ドル
老火靚湯 Soup of the Day 88香港ドル/一人
まずは、老火靚湯、本日のスープから。
見た目は、地味なスープです。中には、人参と草が入っています。NO MSGな感じの優しい味付けで、典型的な香港のスープです。香港のスープは、何時間も煮込んで作るので、結構手間と時間がかかっているもんなんです。
日本人のお味噌汁と同様に、香港人にとってスープは欠かせないようで、結婚したいなら、スープで狙った男子の胃袋を攻略せよ、的な言葉もあるようです。
ちなみに、この草、街中の涼茶舗で売られている野葛菜水を作る材料の「葛菜」というもので、身体の熱気を取り去るという効能を持っているそうです。こんなスープでもちゃんと健康を意識しているとは、さすが医食同源の国の料理なだけあります。
雞油花雕蒸花蟹配陳村粉 時価
Steamed Freshed Flowery Crab with Aged ShaoXing Wine, Fragrant Chicken Oil & Flat Rice Noodles
蒸した花蟹の紹興酒と鶏油ソースかけ
お値段は時価のこの一品。大班楼に来たなら、必食の一品との情報だったので、時価にも関わらず、えいっ!とばかりに注文してみました。
デーンッと、蒸し上げられた蟹一匹と、陳村粉という平麺を別々に持ってきて、目の前で蟹と一緒に盛りつけてくれます。
この蟹の蒸し汁、紹興酒が結構効いてて、美味しいんです。アルコールもほどよく残っている感じで、絶妙な調理加減でした。この蒸し汁、いつまでも味わっていたい味わいで、添えられた麺がなくなったら、ご飯も頼んで、上から掛けて、いただきました。これ、さすがに必食と言われるだけのことはあります。絶品です。
なお、恐る恐る頼んだ時価でしたが、この時は、530香港ドルのお値段でした。
蟹に添えられた平麺の陳村粉は、ちょっと珍しい麺で、香港であまり見かけることがありません。陳村粉という名前は、広東省仏山市順徳区陳村鎮が発祥なのでこの名前らしい。また、この村の黄但という人が考案したので、地元では黄但粉という別名もあるとのこと。
まぁ、飲茶で食べ腸粉(チョンファン)と同じで、米粉から作られているのだけど、腸粉より薄くて、幅5センチほどの皮がジャバラ状に折り重なっています。平麺と書きましたが、きしめんの幅よりもだいぶ幅広いので、幅広麺という名前の方がいいのかもしれません。
米粉で作られた麺特有のつるつるぷるるんとした食感と、蟹の美味しい蒸し汁を吸った
陳村粉は、いやはや激しく美味しい組み合わせでした。
大班十八味鶏
The Chairman’s Soy Sauce Chicken
158香港ドル
普通に美味しかった醤油鶏。このレストランは、材料を吟味しているということを謳っており、鶏も朝しめた新鮮なものを、醤油もちょっと高くても選び抜いたものを使っているだけあって、しっかりとお肉の味、美味しい甘めのタレ。ご馳走様でした。
話梅肉桂糖醋排骨
178香港ドル
これも普通に美味しかったスペアリブ。ソースの酸味にパイナップルを使ったり、ストロベリーを使ったりするお店もありますが、このお店は話梅、中国の梅干しを使っています。ちょっと珍しい。
九層塔辣椒膏炒紐西蘭蜆
Wild Clams Stir Fried with Chilli Jam and Basil
128香港ドル
チリとバジルソースで炒めたシジミ。日本では、チリソースといえば、エビチリになっちゃいますが、シジミもこの甘辛いチリソースによく合う良い組み合わせでした。
桂花杞子雪糕 / 子薑雪糕
Osmanthus & Wolfberry Ice-cream / Pickled Ginger Ice-cream
キンモクセイとクコ実のアイス / ショウガのアイス
38香港ドル
締めのデザートは、ちょっと珍しい具材のアイスクリーム。中に入っているキンモクセイ、生姜はともにほんのりとした風味で、控えめな甘さのアイスという感じで、さっぱりと食事を終えることができました。
良い食材を使っている良いレストランだな、という料理も良かったのですが、給仕してくれる方は、面倒見の良いおやじという感じで、いぶし銀のサービスでおもてなししてくれました。このお店は、本当に良いレストランだと思いました。
いやぁ、ここ、もっと星有ってもいいんじゃない?リピート確定の大班樓でした。