12月に入り、気温も20度を切り、香港も寒く、まだ、むしろ涼しくなる日も増えてきました。そんな冬を迎え始めた香港で暖かく過ごして楽しむ冬の食べ物といえば、火鍋や煲仔飯(ボウジャイファン)ではないでしょうか?
「火鍋」という言葉を耳にしたことが有っても、「煲仔飯」(ボウジャイファン)というのはなかなか耳にしたことがないかもしれませんね。煲仔飯とは言ってみれば、香港式の釜飯のことで、土鍋でご飯と様々な食材を炊いてホカホカをいただきます。
予約は必須!なければ、長時間のテーブル待ちを覚悟かも。
今回は、煲仔飯(ボウジャイファン)を食べに、香港島の西営盤にある煲仔飯で有名な坤記煲仔小菜にまでやって来ました。
目指すは、皇后大道と桂香街の交差点のマクドナルドです。地下鉄MTRの上環駅からもそれなりに離れているので、タクシーでやって来ました。
マクドナルドのある角から10メートルほど中に進んだところに、坤記煲仔小菜があります。
お店の前にテーブルを出して食事している人も見えます。煲仔飯ではなく、火鍋を食べている人も多く、火鍋も人気のようです。
店内に入ると、こちらにも結構な数のお客さんが既に食事中。
ちょっとは空いている席があるかな?と思って、忙しそうにしている店員さんに聞いてみるも、「予約してるのん?」との投げかけ。
それに、「いや、予約はしてないです。」と答えると、レジにいる人に言うように言って、店員さんはそのままどこかへ去って行きました。
で、改めて、レジにいるおばちゃんの店員さんに、「予約ないんやけど、いける?」言ってみると、「予約無いん?まぁ、外で待っとき。」とのこと。
結構、待つんかなぁ、と思いつつ、レジ横のガラスに目をやると、テーブル予約の紙が一面にビッチリと貼られています。
これはちゃんと予約してからお店に行くのが正解ですね。
店員の人が、お店の前の道路に出されたテーブルをセットしています。
その後ろには、2階建てバスが通っていきます。香港を肌で感じながらの食事を楽しめること、請け合いです。
と、お店の外で待つこと、10数分。。。
テーブルが空いたので、ようやく案内されました。おっ、意外に早く順番が来たようです。
さて、メニューを見ていきます。オススメは、トップにやはり煲仔飯。しかも、炭焼きだそうです。炭で炊いているというだけで、なんだか美味しさが増すような気がするのは気のせいでしょうか?
煲仔飯に続くおすすめメニューは、猪骨煲(トンコツ鍋)、枝竹羊腩煲(ヒツジ鍋)、貴妃鶏(酔いどれ鶏)だそうです。煲仔飯ではなく、お鍋を食べているお客さんも多く、こっちも美味しいんでしょうねぇ。
お鍋の魅惑に負けることなく、まずは、煲仔飯のメニューを選んでいきます。すると、煲仔飯が25種類も載っています。これは思わず迷ってしまいます。
数々ある種類の煲仔飯からメジャーなところを紹介していきましょう。
臘腸煲仔飯 「臘腸(ラプチョン)」の煲仔飯です。臘腸とは、豚の腸に豚肉を詰めた広東風のソーセージのことで、ちょっと甘い味が特徴。臘腸がドーンッとご飯の上に載って、炊かれてやってきます。臘腸は蒸すと醸し出す独特の香りと甘い味わいでハートをつかまれた香港人には王道な煲仔飯です。
鹹魚煲仔飯 「鹹魚(ハムユー)」は、塩漬けにされた干し魚。西環あたりにある乾物屋さんでは、軒先に一杯ぶら下げて売られています。鹹魚は、独特の発酵臭が特徴で、ちょっと遠慮したくなるのですが、塩辛などを食べる日本人の口にはよく合う塩味で、魚の旨みと塩辛さが絶妙で、ご飯が進む味です。鹹魚は豚のミンチと合わせてハンバーグ状にして蒸した「肉餅」として食べたり、お野菜と一緒に炒めて食べたりと、香港の家庭料理には欠かせない食材です。そんな鹹魚を載せて炊かれる煲仔飯も、塩味でご飯が進むオススメです。
他にも、北菇(シイタケ)、滑雞(鶏肉)、田鶏(カエル)、排骨(スペアリブ)、窩蛋(たまご)などなど、様々な食材があり、ほんとメニューを決めるのに困ってしまいます。
煲仔飯が炊き上がるまでに20分ぐらい時間がかかるので、他のメニューも頼みました。
ピリッとした味で、思わずビール!と頼んでしまいました。いやぁ、実に合います。ビールが進みます。
青島ビール 20香港ドル。
次に出てきたのが、上湯芥菜膽(からし菜の炒め煮) 45香港ドル。
あまり日本では見かけないお野菜「芥菜」がたっぷりのニンニクときのことスープで一緒に炒められて出てきました。からし菜という名前にも関わらず、火を通しているせいか、辛くもなく、食べ易く、パクパクとお箸が進む一皿でした。
お待ちかね!炊きたて熱々の煲仔飯の登場
注文してから、20分ほど経った頃、今日の主役、炊きたて熱々の煲仔飯が運ばれて来ました。
排骨はスペアリブと書かれているのですが、スペアリブと聞くと想像してしまう大ぶりの骨付きとは違い一口サイズで出てきます。骨があるので、食べ難いのですが、噛むと味が有って、美味しいんですよねぇ。
日本では炊込みご飯や釜飯というと、おダシとお醤油でご飯が炊かれて出されるのですが、香港の釜飯、煲仔飯は、ご飯は白米のままで、具がご飯の上に載った状態で炊かれて出てくるところが違います。
そのままでは、味が薄いので、こんな感じで、一緒に出される特製の濃い目のお醤油をかけて、ご飯と具を混ぜ合わせてから、熱々をいただきます。
もう一つ注文した煲仔飯は、窩蛋肉片飯 55香港ドルです。
こちらには、ご飯の上にたっぷりの豚肉と、その真ん中にたまごがポトッと、落とされています。お肉は柔らかく、とろ~りとした半熟の卵がからんで、お箸が止まらない美味しさです。
そして、煲仔飯は土鍋で炊いているで、こんな感じで、しっかりおこげが底から出てきます。
体に良いのか悪いのか分かりませんが、香ばしくカリカリした食感も楽しく、サクサク食べてしまいました。