日本でお正月に食べる食べ物と言えば、おせち料理やお雑煮がありますが、香港にも、というか中華圏でも旧正月になるとお餅を食べる風習があります。日本のお餅とは違って、もち米だけで作られているのではなく、飲茶メニューでお馴染みの大根餅(蘿蔔糕)に始まり、ココナッツミルクを使ったココナッツ餅(椰汁年糕)、タロ芋を使ったタロ芋餅(芋頭年糕)、くわいを使ったくわいのお餅(馬蹄年糕)などなど、様々な材料を使ったいくつかの種類があります。
香港で旧正月にいただくお餅は「年糕」(ニンゴウ)といい、糕は「高」と同じ発音なので、「年々高く」という縁起の良い意味の言葉である「年年高」の音にかけて、新年の運を呼び込む縁起を担ぐために、年糕を食べるんですね。
「年糕」は、香港中のレストランやケーキ屋さんなどなどで旧正月前に店頭に並びます。中秋節の「月餅」と同じように、旧正月前は街中に「年糕」のポスターが溢れ、季節の風物詩であることを感じさせます。
蘿蔔糕(大根餅)だけではない! いろいろな種類がある「年糕」
今回、知り合いの方から、香港でレストランを展開する美心グループの「年糕」引換券をいただいたので、美心グループのホームページを見てみました。
「年糕」のプロモーションページがあり、見たところ、大根餅を筆頭に数種類の「年糕」も販売しているようです。
美心グループ 「年糕」プロモーションページ
http://www.maxims.com.hk/html/cp2013/index.html
椰汁年糕
ココナッツミルクを使ったココナッツ餅
約900グラムで81香港ドル。(約1,000円)
飲茶のメニューではあまり見かけない種類の「年糕」。お正月限定版なんですかね。
芋頭年糕
タロ芋を使ったタロ芋餅
約850グラムで96香港ドル。(約1,200円)
飲茶でも時々見かけるタロ芋餅。ハムと干しエビがトッピングされていて、中にはタロイモの身がゴロリと入っています。かなり食べ応えありそうで、値段も他の「年糕」に比べて、若干、お高いです。
馬蹄年糕
くわいを使ったくわいのお餅
約770グラムで81香港ドル。(約1,000円)
中に入ったくわいのシャクシャクとした食感が特徴の馬蹄糕(くわいのお餅)。飲茶でも時々見かけます。ほんのりとした甘さでなかなか好みの一品です。
美心グループのレストラン「翠園」まで年糕を引換えに行ってきました。
さて、最寄りにある美心グループのレストランの一つ「翠園」(ジェイドガーデン)に行き、金腿瑤柱蘿蔔糕(金華ハムと貝柱入り大根餅)と紅棗年糕(ナツメ餅)に引換えてきました。
「年糕」を受け取った時に思ったのが、かなりズシッとくる重くて大きかったということ。しかもしっかりとした「年糕」が二個。最寄りのお店で引き換えをしておいて良かったです。これが遠路はるばるこの重たいのを手で持って帰るとなると、泣きを入れたくなること必至です。
どれだけ、重くて、大きいのかを、持ち帰り後、すぐに計測してみました。
まずは、直径が20センチほどあります。
次に、高さが6.5センチほど。
ちょっとした風呂桶に、大根餅が詰まっているという感じでしょうか。
で、最後に重さが1,614グラム。
ちょっと重たいノートPCほどの重量ですかね。
金腿瑤柱蘿蔔糕(金華ハムと貝柱入り大根餅)のパッケージを見てみると、ネット重量は、1,350グラムとのこと。
300グラムが包装と器ということなんですかね。
ちなみに、材料は、大根、水、もち粉、中華ソーセージ、干しエビ、貝柱スープ、くわいの粉、砂糖、ピーナッツ油、金華ハム、片栗粉、ごま油、貝柱、チキンパウダー、塩化ナトリウム、胡椒、とのこと。色々入っています。
原産地は、香港とのこと。中国産ではないので、まだ安心していただけます。
次に、紅棗年糕(ナツメ餅)も見てみます。
こちらのネット重量は、1,400グラム。あわせて、3キロぐらいを持って帰ってきたんですね。そら、重い筈です。
さて、原材料はというと、水、砂糖、餅米粉、うき粉、ナツメ、ピーナッツ油、色素(E110)。
えーっと、保存方法は、1℃~4℃で冷蔵庫に保管とのこと。真空包装を開けた後は、すぐに食べよとのこと。保存料を使ってないとか書いていたので、そんなもんなんでしょうね。
賞味期限は、2月15日となっており、旧正月なかに食べきっちゃいなさい、ということですね。
「年糕」開封の儀を始めます
さて、早速、開けてみます。
まずは、一番外側の包装を切っていきます。
すると、出てきたのが、真空パックで、ピチッと包装された大根餅。
なかなか厳重に、包装されています。
ちなみに、底にはプラスチックのお皿が敷かれていました。
よく考えてみると、開封後は、このプラスチックでフタをするようにということですかね。納得。
次は、真空包装に切れ目を入れていきます。
すると、ようやく、大根餅本体が出て来ました。
ここで、大根餅本体を取り出して、気になったのが、手のベタベタ感。
大根餅本体容器の側面に、塊に入りそこねた大根餅のしぶきが固まっています。これが指先についたようです。
ということで、容器の側面を紙ナプキンでゴシゴシ。
それでは、大根餅を切って、焼いていきます!
ジャーン!大根餅本体のお目見えです。
なかなかたっぷり貝柱や金華ハムが入っていて、近づくと、貝柱や金華ハムが発する独特の香りが漂っています。
さて、ここから、大根餅にナイフを入れていきます。
これは、日本的には、鏡開きかケーキ入刀な感じ、ですかね。
ごそっと、大根モチを切り出して、取り出します。結構なボリューム感があります。
そして、今度は、取り出した塊を包丁で食べやすい焼き易いサイズに切っていきます。
中まで具がたっぷり詰まっていますね。
残りの大根餅は一緒に入っていたフタをして、冷蔵庫に直します。
フライパンを温め、油をしいて、焼きにかかります。
ちなみに、今回は焼いちゃいますが、「年糕」の食べ方としては、
【1】 弱火で焦げないように焼いて食べる
【2】 15分ぐらい蒸して食べる
と、「焼き」と「蒸し」があるようです。
フライパンも温まったので、大根餅を投入します。
んー、良い感じで焼き色が付いてきました。
ということで、お皿に取り出し、早速、いただきまーす!
と言いたいところなのですが、一つ、大根モチを食べるにあたり、ちょっと足りないものを思い出して、スーパーへ走ります。
そうです。大根モチに欠かせない辣椒醤(チリソース)がなかったんです。
飲茶レストランだと、おばちゃんがさっと出してくれるんだけどね。
さて、辣椒醤(チリソース)も出て、準備が整いました。
いただきまーす!
外側のカリッとした食感と、中のしっとりとした食感です。あー、いつもの飲茶でいただく美味しいお味です。
いつもの大根餅の味なので、なんだか、旧正月だから、というスペシャル感はあまりしないかもしれません。
日本だと、おせち料理やお雑煮はお正月ぐらいんしかいただかないので、ちょっと特別な感じはしますが、大根モチは普段も食べるしなぁ…
一緒にもらってきた紅棗年糕(ナツメ餅)はまだ冷蔵庫の中ですが、こっちは溶き卵を絡めて焼いて食べると、ほんのりとしたナツメ餅の甘みと卵が絶妙にマッチするようです。なんだか、きんつばみたいですね。