深水埗の老舗豆腐屋さんで食べるおいしい豆腐デザートと軽食【公和荳品廠】

2016年6月29日

深水埗 サムソイボー。
スマホやタブレット、パソコンといったデジタル製品を扱う電脳街。衣料品や雑貨を扱う小さな露店が所狭しと立ち並ぶローカル感溢れる街。地元で有名な飲食店も数多く揃うグルメな街。と、色々な表情を持つ、いつも多くの人で賑わう活気溢れる街です。

そんな香港らしさが満載の街、深水埗(サムソイボー)にある老舗の豆腐製品専門店「公和荳品廠」に食べに行ってみました。

1893年創業の老舗豆腐製品専門店「公和荳品廠」

深水埗・北河街にある「公和荳品廠」は、安くて美味しいということで、地元で有名なお豆腐屋さんです。

日本で外出して、お豆腐を食べるといえば、京都にある湯豆腐レストランや「梅の花」といった豆腐料理レストランとなり、ちょっと高級な印象ですかね。

一方、香港では、豆乳や豆腐花という豆腐製品を気軽に外で食べられており、どちらかというと香港B級ローカルグルメとして取り上げられるぐらい、日常生活で気軽に食べるスナックとなっています。

豆腐を使ったデザートやおやつは、健康にいいヘルシーということで、香港の人に長らく愛され、このお店「公和荳品廠」は、なんと1893年創業。120年以上も続く、老舗の豆腐製品専門店です。

豆腐製品専門店が、老舗として長く続くにはその理由があるようで、「公和荳品廠」ではカナダ産の遺伝子非組換えの大豆を昔ながらの石臼で挽き、手作りで様々な豆腐製品を作っているそうです。

そういえば、ミシュランガイド香港のストリートスナック部門(米芝蓮街頭小食)にも取り上げられており、深水埗を訪れる際には訪ねてみたいお店の一つです。

レトロ感ある店内には相席必至の人気ぶり「公和荳品廠」

お豆腐や焼き豆腐を作っている店頭を通り抜け、テーブルで食べるために、店内に入ります。特に店員スタッフからの案内はないので、勝手にズンズン入ります。

広くない店内にはお客さんがいっぱい。数席だけ空いている円卓テーブルを見つけ、おもむろに座り、相席で食事をすることにします。これだけ混んでいるお店だと、相席となるのは仕方がないですね。

看板メニューの豆腐スイーツ「豆腐花」(ダウフーファー)を食べるのは決まっているとして、他にも何を食べようかな?とメニューを探してみます。

特にメニューシートはテーブルに置かれてなく、メニューパネルがタイル壁のいたるところに掲げられています。

主なラインナップは、このメニュー。

  • 豆腐花 (熱/凍) 豆腐のスイーツ 8香港ドル
  • 豆漿 (熱/凍) 豆乳 5香港ドル
  • 煎釀豆腐 焼き豆腐 10香港ドル
  • 煎釀豆卜 焼き厚揚げ 10香港ドル
  • 魚腐 とうふつみれ 10香港ドル

地元の人が食べている様子を見ると、豆腐花(豆腐スイーツ)に煎釀豆腐や煎釀豆卜といった焼き豆腐を一緒に食べるようですね。スイーツ屋さんというよりも、軽食スナック屋さんな感じで、甘いメニューとしょっぱいメニューを一緒に食べるようですね。

それにしても、このタイル壁とプラスティック製商品メニューパネル、1970年代にタイムスリップしたかのようなレトロ感に溢れています。人によっては「小汚い」「雑然」と取るかとは思いますが、私はこの感じ、好きですよ。

公和荳品廠で食べる豆腐おやつの数々

注文すると1分も経たずに、オーダーした商品が出揃います。

豆腐花 豆腐のスイーツ 8香港ドル

大豆製品専門店「公和荳品廠」の看板メニュー「豆腐花」(ダウフーファー)からいただきます。

プルンップルンッに揺れる豆腐花ですが、アイス(凍)とホット(熱)を選ぶことができます。夏場の暑い時には冷たい豆腐花で体を冷やし、冬場の寒い際には暖かい豆腐花で体を温め、一年を通して食べられている伝統的なスイーツです。

豆腐花の上に、テーブルに置かれた黄色いお砂糖をかけてからいただきます。

豆腐花は口に入れると、ツルツルと口に溶け、大豆の香りが口に広がります。

日本人としては、冷たいお豆腐というと「冷奴」ひややっこというイメージがありますが、豆腐花のほうが絹ごし豆腐よりもさらに柔らく、ゆるい感じです。

ちょうど座った席の後ろに、結構大きめのツボが置かれているのを発見!

ツボの中をのぞいてみると、中に入っていたのは、白いお豆腐。

どうやら、「豆腐花」はこのツボで大量に作られているようです。
「豆腐花」のオーダーが入ると、このツボから、薄くお豆腐をすくい、お椀に盛り付けて出されています。

煎釀豆腐 焼き豆腐 10香港ドル

次に「煎釀豆腐」焼き豆腐をいただきます。

実演販売よろしく、おばちゃんがせっせと店頭で焼いていたのが気になっていたんです。

「煎釀豆腐」は小さく食べやすく切られたお豆腐に、魚肉を詰めて油で焼いたものです。お醤油っぽいソースをかけていただきます。想像通りに焼いたお豆腐の味です。小腹をちょこっと満たすおやつにはちょうどピッタシですね。

豆漿 豆乳 5香港ドル

なにか飲み物もオーダーしようと思い、メニューを見て、唯一のドリンクメニューは、やはり「豆漿」豆乳。まぁ、お豆腐屋さんだから、当然ですよね。

甘くて美味しい「豆漿」(豆乳)もアイスとホットから選べます。

日本の豆乳は大豆の味が強すぎて、あまり飲み慣れないのですが、香港の豆乳は大豆の香りはそれほど強くなく、甘さもあって、ごくごく飲んでしまえます。

さて、食べ終わって、お会計ですが、入り口付近で豆腐とかを売っている店員さんのところで、支払いをします。伝票などなく、豆腐花を出してくれた店員スタッフが、レジ担当スタッフに「26ドル!」と金額を伝え、お金を支払う感じになります。

「公和荳品廠」のお持帰り商品イロイロ


「公和荳品廠」では先ほど食べたメニューを始めに、各種の豆腐製品をお持帰りでも販売しています。買い食いにちょうどイイですね。

「外賣」持帰りメニュー

  • 公和参寳 揚げコンボ(3種:豆腐・豆朴・魚腐) 30香港ドル
  • 隻拼 揚げコンボ(2種:豆腐・豆朴・魚腐から2種類) 20香港ドル
  • 煎釀豆腐 揚げ豆腐8個入り 20香港ドル
  • 煎釀豆朴 揚げ豆腐パフ5個入り 12香港ドル
  • 黄金魚腐 揚げ魚と豆腐のケーキ4個入り 12香港ドル
  • 豆花 豆腐プリン 10香港ドル
  • 豆漿 とうにゅう 小・6香港ドル 大・9香港ドル ボトル・14香港ドル

上記持ち帰りメニューの日本語は、お店の看板に書かれた日本語を流用。
さっきまで「焼き豆腐」と思っていたのは、お店的には「揚げ豆腐」、「豆腐花」は「豆腐プリン」と、いろいろ表現が私と違っているようです。

持ち帰りメニューの下には、ビニール袋に詰められた一口大の油揚げ「豆卜」。
そのまま日本語読みして、「まめと」と呼んでついつい呼んでしまいますが、正しくは広東語で「ダウポッ Dau Pok」です。

「豆卜」の他にも、「豆腐」は当然として、「腐竹」(湯葉)、「生根」「南乳」といった大豆製品が並んでいます。

「生根」はテニスボール大で球形の「揚げ麩」。火鍋の具にすることが多く、スープにそのまま投入して、トロトロに柔らかくになります。一度揚げてあるのでコクもあり、吸い込んだスープの風味と相まって、火鍋では是非食べておきたい具材の一つです。

「南乳」は豆腐を麹菌で発酵させた調味料「腐乳」の一種。紅麹菌を使って発酵させるので赤い色だそうです。「腐乳」は「東洋のチーズ」とも呼ばれ、旨味やコクを増す調味料として使われるのですが、その独特の風味で好き嫌いが分かれますよねぇ。

そういえば、「南乳」だけではなく、「腐乳」も店内にいっぱい棚に置かれていました。

辣腐乳 小・22香港ドル 中・30香港ドル
玫瑰腐乳 30香港ドル

ん?玫瑰腐乳って、バラの花風味の腐乳?
て、ことはなく、やはり色が赤くてバラ色だからとのこと。

豆腐製品専門店らしく、大豆製品を主にメニューに掲載していましたが、軽食屋さんという側面もあるせいか、香港ならではの小食スナックを横の店舗でも売っていました。

こんな感じで軽食メニューの種類は結構あります。
腸粉(ライスクレープ)、魚蓉焼売(魚肉シューマイ)、咖哩魚蛋(カレーフィッシュボール)、咖哩蘿白(カレー大根)、咖哩猪皮(カレー豚の皮)、咖哩腸仔(カレーソーセージ)、薏米水(はと麦水)、瑞士汁鶏翼尖(鶏出刃先の先スイスソース煮)、炒麺(焼きそば)、炒米粉(焼きビーフン)、牛肉球(牛肉団子)、干蒸牛肉(牛肉シューマイ)、潮州粉果(潮州式餃子)

ちゃんと見つかるかなぁ? 「公和荳品廠」へのアクセス

「公和荳品廠」へ行き方ですが、まずは、MTR深水埗駅で下車して、B2出口を出ます。
ちょうど奥に、黒ゴマういろう「芝麻糕」が有名なお店「坤記糕品」があります。ここも、おやつにちょうどイイですね。

北河街 (Pei Ho Street)を直進して、右側に「公和荳品廠」があります。
お店の看板が実はもう見えているのですが、見つかりましたか?

こんな感じで、レトロ感ある字体の看板が出てきたら、「公和荳品廠」はすぐそこです。
北河街には露店が立ち並び、しかも、公和荳品廠は露店の後ろに隠れています。お店の場所を分かってないと、そのまま前を通り過ぎてしまいそう。

でも、地下鉄深水埗駅から3分ほどで、アクセスも良いので、ローカル色満載のエリアで、健康スイーツを食べに「公和荳品廠」まで足を運んではいかがでしょうか。深水埗サムソイポーには、他にも美味しいお店がいっぱいあるしね。

今回ご紹介した深水埗にある店舗のほか、もう1店舗も「九龍城」というローカル色濃いエリアにありまーす。
香港 九龍 九龍城福佬村道67號

Instagram:@LOVELIFEHKG