旺角にある下町の冰室でまったりと過ごす下午茶 アフタヌーン・ティ 「中国冰室」

旺角・中国冰室
2011年10月5日

香港でお茶すると言えば、ホテルでする下午茶、アフターヌーン・ティや、街中にあるスターバックスやパシフィックコーヒーなどのチェーン店で席を取り合って小休止、ということが多いのですが、香港のドローカルな喫茶店というのも雰囲気が有って、なかなか侮り難いんですよね。

香港のドローカルな喫茶店といえば、「茶餐廳」(チャーチャンテン)が出てくると思うのですが、茶餐廳の代表格「翠華餐廳」だと、香港中で他店舗展開していて、内装も近代化しちゃっていて、なんだかまったりとした空気を楽しむことが出来ないんですよねぇ。


でも、「茶餐廳」の中でも、ほんと昔からやっているところは、「冰室」(ビンサッ)といいます。そんな「冰室」は、最近廃業するお店も多く、数少なってきています。
そんな「冰室」で、是非とも行ってみたいと思っていた旺角(モンコック)にある「中国冰室」(チュウゴクビンサッ)に行ってみました。

ちなみに、このお店は、映画のロケ地で使われていることでも有名で、「PTU」(2003年)のシーンで出てきています。

広東道 - 旺角・中国冰室

旺角の朗豪坊(ランガム・プレイス)から、まずは広東道(カントンロード)を目指します。

広東道 - 旺角・中国冰室

同じ広東道でも、尖沙咀だと、オーシャンターミナルがあって、ブランドショップ立ち並ぶ高級な印象ですが、旺角まで来ると、町工場が立ち並び、上半身裸体なオヤジたちが似合う地元の雰囲気がたっぷりします。

広東道街市 - 旺角・中国冰室

もう少し、南に下っていくと、野菜や果物を売っている路上市場に突入します。

この果物とかを売っている露天の裏側に目指す「中国冰室」があり、結構、場所が分かりにくい。

店頭 - 旺角・中国冰室

ということで、オヤジ二人が店頭でお茶している中国冰室に着きました。なぜ、店内に入らない?

2階店内 - 旺角・中国冰室

店内に入ると、2階に案内されました。この直角な背もたれの木のイスと、レトロなモザイク柄のタイルがこのお店の歴史を物語り、独特の空間を作り出しています。

プラスチックカップ - 旺角・中国冰室

席に案内されると同時に、プラスチックのコップに注がれた温かい中国茶を出されました。このテーブルの色と、コップの色の取り合わせも、香港のお店ならではですよねぇ。

メニュー - 旺角・中国冰室

テーブルに置かれたメニューや砂糖、塩などなどに目をやると、すぐに目に止まるのが砂糖の入れ物。普通は、ステンレスの入れ物に入っていることが多いですが、透明のクリープっぽいプラスチックの入れ物に入っています。なかなか味が有りますね。

メニュー - 旺角・中国冰室

さて、メニューを見てみましょう。奶央多士(コンデンスミルク味)、由央多士(バター味)、加央多士(咖央ジャム味: ココナッツミルク味のジャム)といったトースト 各7香港ドル!といった格安の値段が衝撃的なのです。

他にも、コーヒー 13香港ドル、アイスコーヒー 15香港ドル、ハムたまごサンド 12香港ドル、朝食セット 24香港ドル、牛肉野菜炒めのせご飯 26香港ドル、やきそば 30香港ドル、汁そば 26香港ドル などなど、と安心価格のメニューが豊富に揃っています。

2階から1階を望む - 旺角・中国冰室

ふと、2階席から、1階を見てみると、薄暗い蛍光灯に照らされた天井のファンが特徴的で、いい味を出しています。

1階店内 - 旺角・中国冰室

2階から眺めた1階も味があります。
さて、さて何を食べているのかなぁ?

2階店内 - 旺角・中国冰室

映画「PTU」では、この奥のドアから、拳銃を紛失した林雪(ラム・シュー)が逃げて出ていきましたねぇ。

ミルクティ - 旺角・中国冰室

と、いう間に、飲み物が出てきました。
凍檸茶(アイス・レモンティー) 15香港ドル
熱奶茶(ホット・ミルクティ) 13香港ドル
英国の植民地だったせいか、香港では、ミルクティ、レモンティともに、濃厚な味で美味しいですよねぇ。

でも、PTUを観た人なら、檸檬珈琲(レモン・コーヒー) 15香港ドルを頼むんでしょうね。

陳列ケース - 旺角・中国冰室

ボーっと、1階を見ていると、おばちゃんがパンを持って、カウンターへ。

作業中 - 旺角・中国冰室

そして、ナイフで切込みを入れて。

バター - 旺角・中国冰室

冷蔵庫にあるバターを挟んで。

菠蘿油 - 旺角・中国冰室

菠蘿油(パイナップル・パンのバター挟み)が出てきました。
日本だと、メロンパンなのですが、こちら香港ではパンの表面に出来たデコボコをみて、パイナップルみたいだと思い、パイナップル・パン(菠蘿包)と名付けたようです。

鶏翼薯條 - 旺角・中国冰室
小食餐 鶏翼薯條 26香港ドル

もう一品、注文したのは、軽食セットで選んだのは、香港人がやたらと好きな鶏の手羽先とフライドポテト。飲み物もついたセットでこの値段です。

屋台の背後 - 旺角・中国冰室

適当に食べて、飲んで、ゆっくりと時間を過ごした後、お店を後にしました。

お店の真ん前は、野菜・果物を販売している屋台の背後。ほんと、雑多なところにあります。

街市 - 旺角・中国冰室

そして、表通りへ。色々と、果物とかが安いので、買って帰るといいですよ。

警官 - 旺角・中国冰室

おっ、リアルPTU。
お店に、警官の方が休憩に来るなんてところ、見かけませんでしたけどね。

味は決してめちゃくちゃ美味しい!!とまでは言えないのですが、手頃な値段で、ゆっくりと時間を落ち着いて過ごすことが出てて、なかなか良かったです。街中だと、スタバやパシフィックコーヒーでも、いつも混んでていて、ゆっくりとすることが出来ない中、こんなにゆっくりと出来るお店は貴重です。

決して新しくはない店内ですが、清潔なので、様々な年代の地元の人が、入れ替わり立ち替わり入って来ていたので、地元の普段使いのお店、という印象を受けました。いつまでも、この雰囲気を保って、続いてほしいお店だと思いました。

Instagram:@LOVELIFEHKG