香港と言えば、飲茶。これまで、いくつものレストランで飲茶を食べてきました。
伝統的な飲茶レストランも雰囲気が有って素敵なのですが、今回はスタイリッシュで、ちょっと風変わりな点心で話題のレストラン「YUM CHA」に行ってみました。「YUM CHA」は「飲茶」のこと、その名前の示すべく、点心の見た目も楽しく、味も良く、なかなかのオススメのレストランでした。
「YUM CHA」尖沙咀チムサーチョイ店に行きますよ。
「YUM CHA」は尖沙咀チムサーチョイと中環セントラルにお店があるのですが、今回目指すのはチムサーチョイ店。グランビル・ロード(Granville Rd)にお店があります。
最寄りの地下鉄出口は、尖沙咀駅B2出口。一本北にあるショッピング・ビル「THE ONE」の南沿いの通り、グランビル・ロードに着いてすぐに「YUM CHA」が入るビルに着きます。B2出口から歩いて5分ぐらいですかね。
まだ工事中(?)建設中(?)のホテルとなるビルの入口に、お店の看板商品となっている人気点心の大きな看板があり、これが目印。まさに「看板」商品ですね。
このビルの3階に、目指すお店「YUM CHA」があります。
カフェ?レストラン? 素敵な空間が広かる「YUM CHA」店内
新しく出来たビルということもあり、とても明るく広い店内です。金曜日晩7時に予約して行ったら、まだ席は空いていたのですが、食事をしていると見る見るうちに満席になっていました。予約しておいたほうが良いかもしれませんね。
さて、香港の飲茶レストランというと、大きな円卓がある中華レストランのイメージが強いですが、添好運や點一龍といった点心専門店のように、3−4人ぐらいの小グループがちょうど良いサイズのテーブルを揃えたお店となっています。また、内装もカフェのようで、上海料理レストランの南小館とおなじような内装で、伝統的な飲茶レストランとは、かなり様子が違いますね。
【参考記事】 ハイサンプレイスのカジュアル上海料理レストラン「南小館」
また、厨房がオープン・キッチンとなっていて、活気があって良い雰囲気。
スタッフの人のエプロンがお揃いでなんだか可愛いですね。
独創的な料理並ぶ「YUM CHA」のメニュー。さて、どれを注文する?
席に案内されて、まず、お茶を何にするかを聞かれます。
お茶の種類は「紅棗紅袍」(ナツメ紅茶)・「玄米緑茶」・「杭州白菊」(菊の花茶)とちょっと変化球。プーアール茶、ジャスミン茶、鉄観音茶といったいつもの飲茶レストランで見かけるラインナップとは違いますねぇ。
さて、注文しようかな、とメニューを見ると、写真と英語表記があって、分かりやすい。また、料理番号も載っていて、写真で番号を確認して、欲しい数量を書き込んで注文するオーダーシート方式となっています。
このレストラン「YUM CHA」のメニューには独創的なメニューが多く、地元香港人が漢字のメニューを見ても、「これって、どんな料理かなぁ?」とおもわず呟いてしまうほど。結果論ですが、注文した料理は全部美味しかったので、どれを注文してもハズレはなさそう。安心して、適当にノリで注文しちゃって下さい。
どのメニューにしようか、アラカルトではなかなか決めきれない人も安心のセットメニューもあります。
また、デザートメニューとドリンクメニューも別にあります。デザートも種類が色々あって、選ぶのが楽しかったです。
奇をてらわず普通に美味しい「YUM CHA」の前菜
2人用セットメニューのスープと前菜がまずは出てきました。
泉水燉湯 double-boiled soup
澄んだ色をしたダブルボイルスープです。香港の家庭で作るスープでも使われるトウモロコシと大根が入ったスープは優しく落ち着く美味しいお味でした。
太子麻菜 crab roe sesame spinach
カニ子を上に載せたほうれん草のおひたしをごまドレッシングソースでいただきます。若干和食っぽいメニューですが、ほうれん草にゴマドレッシング
というのもなかなか合うものなんですね。新発見。
沙薑蒽鶏 scallion ginger chicken
蒸し鶏の生姜ソース。個人的にはソースにもうちょっと塩味が欲しいかな、と思う薄味でしたが、柔かくて美味しい蒸し鶏でした。
真打ち登場「YUM CHA」のキャワワな点心
「YUM CHA」に来たら、何はなくともこの点心。
可愛いくて、キュートな点心たちの登場です。
睇住流奶 hot custard buns
「睇住流奶」という名前がついていますが、いわゆる流沙奶黃包(カスタードクリームまん)です。
セイロで運ばれてきた時点でもちょっと楽しくなるお料理なのですが、ちょっとイジるとより楽しく遊べるんです。
「でろろーん。」
どうするかと言うと、穴を開けて、ちょっと上から押すんです。
すると、中から温かいカスタードがダラダラ口から吐いているユーモラスな点心の出来上がりです。
もともとは、流沙奶黃包という伝統的なお菓子点心なのですが、点心シェフのクリエイティブぶりには脱帽です。
一籠八戒 BBQ piggy buns
次は、たまらなく可愛すぎて食べれない子豚ちゃんの蒸しまんじゅう「一籠八戒」。
食べれないと言いつつも、すぐに食べちゃうんですが・・・
無残にも子豚ちゃんを引き裂くと、なかから叉焼チャーシューがこんにちは。
子豚ちゃんまんじゅう「一籠八戒」は叉焼包チャーシューまんだったんですね。
上湯菜苗 seasonal veg in soup
あと、野菜のスープ煮とチャーハンもセットメニューに入っています。
櫻花蝦飯 scallop & shrimp fried rice
香港人が大好きなとびこがプチプチ弾ける食感が楽しいチャーハンです。
ついつい注文し過ぎちゃった「YUM CHA」のデザート
鴿呑鳳梨 baked crispy pineapple puff
他にもデザートは気になるメニューばかり。勢いでオーダーしちゃいました。
「鴿呑鳳梨」もなかなか楽しい点心!
「ハトがパイナップル飲んだ。」という名前の点心なのですが、これ、パイナップルケーキ(鳳梨酥)のようです。
この点心もキュン死してまうような可愛い小鳥3匹が鳥籠に入って登場。
みんなスマホを取り出して、撮影大会。テーブルが盛り上がること必至。
見た目だけでなく、クリスピーな皮と中のパイナップルジャムも良い組み合わせで、味も問題なし。
モクモクとドライアイスの白い煙を上げて登場したデザートプレートならぬデザートセイロ。
可可麻球 drunken chocolate ping pong / 開心果刻 pistachio white chocolate
セイロの中には、中華料理の定番「胡麻団子」とピスタチオ・チョコ。
いつもの胡麻団子がデザートだと、ちょっとがっかりする人もいるかと思うのですが、「YUM CHA」の胡麻団子は一味違いました。
胡麻団子の中には、とろーりチョコレート。香港のデザート屋さんで見かけるモルテン・チョコレート・ケーキ(心太軟)的な胡麻団子。ごまの香ばしさとチョコレートがマッチしたアタリのデザートでした。
楊枝甘露 + 棉花雲 mango sago + cotton cloud
どのレストランでも見かけると思わず注文してしまう「楊枝甘露」
マンゴー、タピオカ、ポメロ(八朔というか夏みかんというか・・・)の甘く酸っぱさが絶妙で楊枝甘露は香港を代表するスイーツですよね、ホント。「YUM CHA」の楊枝甘露は、綿あめ(綿花糖)をのっけて出てきました。インパクト大。
ここの楊枝甘露は、汁っ気の多い他店と違い、若干硬めの質感でマンゴープリンのようなでした。まぁ、どちらにせよ、美味しいんですけどね。
陳皮燉梨 double-boiled pear + aged mandarin peel
伝統的な香港スイーツも一品「陳皮燉梨」。まるごと梨のコンポートなんですが、上に香港で多様されるスパイス「陳皮」がまぶされています。陳皮はみかんの皮を乾燥したもので、香港ではスープやデザートによく使われます。
コンポートだけだと、甘い味だけで終わってしまうのですが、陳皮から柑橘系の良い香りと若干の塩っけが足されて、薬膳デザート!という感じ。
実際に、梨は漢方的に疲労回復、便秘解消、むくみ予防などといった効能があるらしいですよ。
まずは可愛い。そして、美味しい点心と料理を楽しめるエンターテイメント性あふれる飲茶レストラン「YUM CHA」でした。
オススメです。みんなでワイワイ食事を楽しみにぜひ訪れてみてください。