今日は、「星巴克冰室」というお店を紹介してみます。
昔懐かしい香港の純喫茶「冰室」
店名に「冰室」(ビンサッ)というのが付いていますが、この「冰室」というのは喫茶店の一種で、昔ながらの香港式「純喫茶」というべきお店を指します。
香港で喫茶店と言えば、食堂と喫茶店を兼ね備える「茶餐廳」になるかと思うのですが、この「茶餐廳」の前時代的なものと思ってもらえればいいかと思います。日本でいうと、ドトールとかではなく、昔ながらの雰囲気のある喫茶室ルノアールという感じですかねぇ。
「冰室」に昔ながらの雰囲気のある、というのは本当で、「冰室」と呼ばれるタイプの喫茶店は、第二次世界大戦後に流行していました。ですので、今でもある「冰室」は歴史を感じるお店が多くあります。
油麻地の廟街にある1950年開業の美都餐室(Mido Cafe)も、「冰室」の一例で、レトロな内装がタイムスリップしたような気にさせてくれます。
「冰室」といえば、昼間からおっちゃん達が、新聞を読みながら、ミルクティーとパイナップル・パンという勝手な印象があるのですが、ここ、「星巴克冰室」は、若い人達で大変賑わっています。
最近、香港でも「冰室」は懐古ブームに乗って、注目を浴びているらしく、若者達が記念写真を撮ったりしています。
ちなみに、ここ、おトイレの前なんですけど、そんなところで、記念撮影、いいんですかね。
で、テーブルも昔ながらにガラスを敷いていて、その下にメニューが敷いてあります。
なんだか、こういうところで、昔ながらの雰囲気を感じますね。
で、メニューの右端を見ていくと、何々、「Design by G.O.D.」と。
「えっ?G.O.D.? 香港のインテリア・雑貨ショップのG.O.D.?」
はいっ、そうです。あの、G.O.D.です。
スターバックス Starbucks X G.O.D コラボの冰室スタイル店舗
実は、このお店、G.O.D.が「冰室」をモチーフにデザインしたスタバなんです。スタバの中環都爹利街に出来た新店が、「冰室」の雰囲気満点の内装になっています。
スターバックスは、中国語で「星巴克咖啡」なんで、「星巴克冰室」て、書いた時点でバレテました?
G.O.D.がデザインした店内は、昔ながらのポスターやメニュー板、天井からぶら下げられた鳥籠などがディスプレイされており、1950~70年代の「冰室」の雰囲気ぷんぷんです。
「冰室」の雰囲気は、デザインだけではありません。
スタバ中環都爹利街店のメニューは、他の店ではあまり見ない「冰室」モードになっています。
カウンターでは、「冰室」三点セット、「エッグタルト」「パイナップル・パン」「カツレツ・バーガー」を強烈プッシュしていて、思わず、頼まずにはいられません。
スターバックス Starbucksの冰室スタイル 中環セントラル店だけの限定メニュー
黑糖を使って作られた厚切牛油菠蘿包は、中環都爹利街店でのみ提供されているメニューです。
分厚く切られたバターが溶けて、表面がカリカリのパイナップル・パンによく合います。
この咖啡雞尾包も、黒糖を使っています。
実は、ぱっと見、「茶餐廳」でよく見かけるカツレツバーガーなんですが、違いました。
真ん中の黒いカツにあたる部分が、コーヒー味のクリームでした。
これも、中環都爹利街店でのみ提供されているメニューです。
これは、 「咖啡蛋撻」。
んー、泰昌餅家 Tai Cheong Bakeryのエッグタルトの方に、やはり軍配が上がるか。
このスタバ中環都爹利街店は、オープンしたてで、雑誌に取り上げれていることもあり、テーマパークに来た様に写真を撮っている地元の若い人が多く来店しています。
そんな中に混じって、昔の香港に思いを馳せつつ、記念写真を撮ったり、楽しいひと時を過ごすことが出来る「星巴克冰室」でした。
より大きな地図で Love Life Hong Kong を表示