こちらのお店は、ミシュランガイド2012年版で2つ星を獲得しているお店「夜上海 ye shanghai イェ・シャンハイ」。尖沙咀(チムサーチョイ・Tsim Sha Tsui)にある上海料理のお店で、上品な上海料理を中心に江蘇省、浙江省の料理も楽しむことが出来ます。
場所は、マルコポーロ香港ホテル 6階にあります。
お店の中に入ると、まずは、レセプション。モダンなインテリアが設えられた高級感が漂うおしゃれな空間が広がっています。
素敵な店内とテーブルセット、注目は特製のあれ!
他の中華レストランにはないカウンターバーがあり、特別なレストランの雰囲気が醸し出されており、これからの食事を否が応にも楽しみにさせてくれます。
ワインの取り揃えも豊富で、フレンチやイタリアンのように中華料理を楽しむことができそうです。
洗練されたデコラティブな内装も趣があって良いですね。
お店の中から窓からは、綺麗にライトアップされた1881 Heritage(1881ヘリテージ)と、ペニンシュラホテル(半島酒店)を望むことが出来ます。
香港島の夜景は残念ながら綺麗に見ることが出来ませんが、ビクトリア・ハーバーでシンフォニー・オブ・ライツが行われる午後8時になると、香港島側の夜景にレーザー光線が走り、一層明るくなる夜空を見ることが出来ます。
ディナータイムは、すっかり満席に!予約はしておいた方が良いですね。
お客さんの中に、白人の方を多く見かけました。便利なロケーション、モダン・チャイナなオシャレ空間ということで、白人観光客の心をぐっと掴むんでしょうねぇ。
店内のインテリアの美しさ同様、テーブルセットもこんなに素敵。お皿に描かれたカニの絵が可愛いですね。
また、ちょっと薄暗目の照明が良い雰囲気を演出しています。
お食事のお供は烏龍茶にしてみました。夜上海のロゴ入り耐熱グラスでいただきます。
ちょっと気になったのが、脇にあった調味料セット。こちらも、統一感のある容器で、細部まで手を抜いていない印象を受けます。
そして注目したいのは、奥にあるちょっと大ぶりの容器。これには、夜上海特製の「XO醤」が入っています。
このXO醤、干し海老や干し貝柱がたっぷり入っていて、アミノ酸の旨味がた〜っぷり。
口に入れた直後は、ちょっと甘目の味と、アミノ酸の旨味が広がり、最後にちょっとピリ辛な後味が残ります。これがまたやみつきになる美味しさ。料理を注文する前にも関わらず、思わずパクパク食べてしまいました。
オススメ「夜上海客餐 DELUXE」コースを注文
さて、ようやく料理の注文をしました。
今回は、代表的な上海料理をひと通り食べることの出来るセットコース 「夜上海客餐 DELUXE MENU」 がオススメということでしたので、それを頼むことにしました。
まずは、「冷菜 STARTER」 から始まります。
一つのお皿に少しづつ盛られた上海料理の代表的な前菜をいただくことができます。
まずは、鎮江肴肉(豚すね肉の煮こごり)。
プルンプルンッとゼラチン質たっぷりな水晶のように透明なゼリーと、発色の良い赤色のお肉が特徴です。
調味料セットにある香酢をつけて食べると、お酒が進む一品です。
この鎮江肴肉、ちょっと作り方がちょっとワイルド。塩と間違って、爆竹に使う硝石でお肉を漬けしまったのが始まりだとか…
肴肉(ヤオロウ、鎮江方言 シオズッ)は中国江蘇省鎮江市の郷土料理。豚の脚肉(豚足と呼ばれる蹄に近い部位の肉)を硝石(硝酸カリウム)と塩で漬けた後、スープで茹でた肉料理である。豚の皮にはゼラチンが多いため、冷ました後スープは煮凝りとなる。薄切りして前菜やおつまみとして食べられるほか、麺料理の具として用いられる。
(ウィキペディアより抜粋)
こちらは、蘿蔔絲海蜇皮(大根の細切りとクラゲのあえもの)。
上海料理の前菜定番の一品。コリコリとして美味しくいただきました。
こちらは、蒜茸脆青爪(きゅうりのニンニク和え)。
サッパリと普通に美味しいです。
これは、燻蛋。茶葉でいぶした卵だそうです。
お茶っぱのいい香り、したかな?
前菜の最後の一品は、花彫酒酔鶏。紹興酒の一つである花彫酒でマリネしたゆで鶏肉です。
柔らか鶏肉が浸かっているスープは、紹興酒の味が効いています。
前菜だけでもかなり良い感じ、そして絶品のスープへ
そつなく美味しく頂けた前菜に続きまして、スープが運ばれてきました。
これ、なかなか豪華でした。
近づいて素材を見てみましょう。
フカヒレ、ドーンッ。
ワンタン、ゴローンッ。
っと、食べごたえアリアリ感が、いい香りの向こうから伝わってきます。
早速、ワンタンからいただきます。
このワンタン、スープにゴロゴロと入っており、十分な存在感を発揮。
フカヒレも、他の具材と負けず劣らず、たっぷりと入っています。
フカヒレと絡み合うスープは、すっきりと美味しく、口の中に幸せが広がります。
蝦、魚、蟹…海鮮素材たっぷり料理が続きます。
こちらは上海料理というよりも浙江省の名物料理、龍井蝦仁、川海老と龍井茶(ロンジン茶)の炒め物です。
料理名にある龍井は、浙江省 杭州 龍井で採れ、生産される緑茶、龍井茶のことを指しています。茶葉だけ炒めているのではなく、ちゃんとお湯で淹れた龍井茶を茶葉ごと、エビと炒めて作るそうです。さっぱりした一品です。
こちらは、揚げ黄魚(イシモチ)の甘酢あんかけ。
酢豚のお肉の代わりに、黄魚の身が入っている感じです。
甘酸っぱいソースで、パクパクと食が進みます。
ちょっと嬉しかった一品が、蟹粉釀蟹蓋(上海蟹と卵の甲羅詰め焼き)。上海蟹のほぐしたお肉と卵を甲羅に入れて焼いた一品です。
上海蟹は好きなのですが、手をベタベタにしながら食べれないのですが、これだとスプーンでスクって食べるだけ。かなりポイント高いです。
一緒に出される生姜の入ったお酢と一緒にいただきます。蟹は食べると身体を冷やすので、身体を温める効能を持つ生姜と一緒にいただくのが慣わしです。
蟹の濃厚な美味しさが口に広がって、幸せですょ。
お肉の一品と小籠包!そしてデザート。
次から次へと矢継ぎ早にお料理が運ばれてきます。
次は、稻草扎肉、豚ばら肉の葉巻きで、上海近郊一帯で有名な田舎料理とのことです。
上に、チョコッと乗った、白くて小さいお饅頭に挟んでいただきます。
上海料理の大定番中の定番、小蘢包。
蟹肉も入って、ちょっぴり豪華になっています。
こちらも、代表的な上海料理、「金華火腿時蔬」季節の野菜(今回は白菜)と金華ハムのクリーム煮。
上に載せられた金華ハムの塩味が良いアクセントになっています。
お料理の最後の〆は、デザートです。
香米布甸(お米入りプリン)と、茉莉茶雪糕(ジャスミン茶のアイスクリーム)です。アイスクリームの下にもお米のツブツブが敷かれています。
このプリンがまた美味で、かなりお腹が膨れてきているのに、ペロリと別腹で頂いてしまいました。お腹一杯、大満足です。
中国茶にXO醬、お土産もチェック!
店内入り口付近にテイクアウトできる品々がディスプレイされています。
こちらは、龍井茶。お家に帰っても、爽やかな龍井茶を楽しむことができます。
【杭州明前龍井 1缶 350香港ドル】
そして、すっかりハマってしまった夜上海特製XO豆板醤。
家に帰って、これをチビチビ食べながら、お酒でも良いですし、チャーハンに入れて、思いっきり海鮮の風味を味わうのもいいですね。
【X.O.豆板醤 1瓶 100香港ドル】
それでは、マイタン(お会計)!
さて、気になるお会計ですが、
セットディナー 1名398香港ドル x 2名 = 796香港ドル
酸菜(お通し) 25香港ドル
茶芥(お茶代) 40香港ドル
XO醤(お土産) 100香港ドル
小計 961香港ドル
サービス費 87香港ドル
しめて、合計 1048香港ドル でした。
上海蟹含めてお腹いっぱい食べて、お土産買って、1人あたり5,000円くらいでした。
ミシュラン二つ星ということを考えると、結構リーズナブルですね。
上海料理は、酒や醤油、黒酢といった醸造物を多く使うので、甘く濃厚な味わいが特徴です。
日本料理も醸造物を多く使うせいか、上海料理は日本人の好みに合うので、是非とも、一度試して損はないレストランだと思います。