尖沙咀(チムサアチョイ)のハーバーシティにあるレストラン「美中.鴨子 M&C DUCK」に行ってきました。モダンな内装と雰囲気で、中華レストランではなく、インテリアショップかな?と思わせんばかりです。でも、鴨のイラストが大きく描かれているので、何故だか、北京ダックを出すレストランだと直感ですぐに分かってしまいました。不思議です。
このレストラン「美中.鴨子 M&C DUCK」は2013年12月にオープンしたばかりで、まだ1年も経っていません。だから奇麗というのもあるのですが、内装がイタリアンレストランとかでも見かけるようなインテリアで構成されていて、目新しいですよね。以前、食事した銅鑼湾(コーズウェイベイ)のハイサンプレイスにある上海料理レストラン「南小館」も同じ様な感じでした。
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窓際の円卓テーブルからはオーシャンターミナルに停泊中の客船越しに上環が見えます。一応、ビクトリアハーバーを望めるハーバービューと言えば、ハーバービューなのですが、まぁ、見えているというだけです。
大きなダイニングテーブルの席もあります。仕切りが有るわけでは無いので、プライベートルームとは言えませんが、大人数でも楽しく食事を楽しめそうです。
これもビクトリアハーバーの端っこが見えるだけですが、テーブルから夜景を見ながら食事を楽しむことも出来ます。でも、夜景に過度な期待はしないで下さいね。
でも、素敵な食事の場ではあるので、是非とも予約して、窓側のテーブルにしてもらいましょう!
と、テーブル席が色々なスタイルで揃っているのですが、昔ながらのレストランのように大きな円テーブルが「ドーンッ」「ドーンッ」と配置されてはいないので、大人数な団体での食事は難しいかもしれません。20人の団体で北京ダックを食べよう!となると、北京樓や鹿鳴春といった今までのスタイルの中華レストランへ行きましょう。
このレストラン「美中.鴨子 M&C DUCK」は内装だけでなく、カトラリーやメニューブックも素敵。
カモをモチーフに可愛くさりげなくデザインされています。
ほら、気づきました?ほら、ほら。
ほら、箸置きが鴨の形をしていて、かなり可愛いでしょ。
で、何だか、馴染みある形だな、と思っていて、ふと、思い出したのが、コチラ。
香港中で話題沸騰中の巨大アヒルがようやく 尖沙咀でお披露目。|橡皮鴨游世界 – 香港站
去年の5月はアヒルを見にたくさんの香港人、中国大陸からの旅行客がビクトリアハーバーにやってきました。「可愛い」「可愛い」と言いながらも、生きている鴨は結局は食べてしまう運命。
北京ダックだけでなく、四川・上海・湖南料理も選べる幅広いメニュー
店名になっている鴨は、もちろん北京ダックで注文できます。この他にも後4種類の鴨肉料理がラインナップ。
北京ダックだから、北京料理をメインとするレストランかと思いきや、辛〜い唐辛子と山椒スープで魚を煮た水煮魚片をはじめとする四川料理、小龍包をはじめとする上海料理、四川料理と同じく辛い料理が揃っている湖南料理、それからあわびとナマコの煮込みやおこげといったメニューまでも揃っていて、絶対、食べたいメニューを絞るのに困ってしまうはず。
食事だけでなく、飲み物も充実 飲まなきゃ損?!
あと、ウレシイのが食事の選択肢がバラエティ豊かなだけではなく、飲み物も色々と選べるところ。中国茶・フレッシュジュース・カクテル・ビール・生ビール・スピリット・ウイスキー・コニャック・シャンパン・ラオチュウ・赤ワイン・白ワインと色々選ぶことが出来ます。
凍頂烏龍茶(ウーロン茶) 25香港ドル
中華レストランで中国茶と頼むと、一卓にお茶1種類を「ドーンッ」とウェイトレスのおばちゃんが置いていくのがよくある光景ですが、このレストランは一人一つのお茶を頼めます。そして、冷めないようにロウソクで暖める土台までついてきます。これは何気にウレシイ。
お茶は、玫瑰普洱茶(バラ入りプーアル茶)、凍頂烏龍茶、茉莉花茶(ジャスミン茶)、粉紅玫瑰(ピンクローズ)、春黄菊(カモミール)、桂圓紅棗茶(ロンガンとナツメ茶)、玄米緑茶の中から選べます。
今回、粉紅玫瑰(ピンクローズ)を初めて飲んでみました。飲む前は「いやいや、バラの香りがする只のお湯でしょ。」と思っていたのですが、飲んでみると意外とお茶っぽい味も有り、悪くない選択でした。他のレストランだと、選択肢も無く、プーアル茶かジャスミン茶しか飲めないと思うので、色々と種類を試してみて下さい。
香茅青寧梳打(レモングラスとライムソーダ) 36香港ドル
この他にもいつものレストランと違うポイントがソフトドリンクの充実。おしゃれカフェかよ!と思わせる様な爽やか飲料も選ぶことができます。
写真はレモングラスとライムソーダですが、他には、レモングラスとイチゴとジンジャーエール、ライムとライチとジャスミンティ、レモンとポメロ(≒八朔)とトニックウォーター、オレンジとパッションフルーツとソーダ、バラとグアバとソーダ、ライムとペパーミントとソーダ、パッションフルーツとパイナップルとソーダとあり、色々試したくなる感じです。
飲むとただのソーダなのですが、見た目も良くて、オススメです。しかも、コーラでも30香港ドルするので、コーラ頼むなら、この方がいいでしょ。
「いやいや、私はお茶もソフトドリンクもお酒も要らないよ。安く済ませたいから、お湯で!」という人でも、お湯代 10香港ドルが取られます。どうせチャージされるのであれば、いっそ、色々いつもは注文しない飲まないのを試してみて、楽しんでみましょうよ。
ちなみに、隣テーブルの人がお湯を頼んでいて、ガラスのコップで出て来ていたのですが、そのコップにも鴨のイラストが描かれていて、可愛かったですよ。
前菜 定番から創作メニューまで
川味蒜泥白肉(四川風 豚ゆで肉のガーリックとチリソース) 70香港ドル
四川レストランで食べる定番の前菜料理です。ゆでた豚肉のスライスにたっぷりのニンニクとピリ辛チリソースがかかっています。見た目ヨシ、味ヨシで合格です。
ここがミシュラン一つ星?と思った四川料理レストラン「麻辣燙 Chili Fagara」よりも美味しい。
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桂花糕凍伴鴨件(カモとキンモクセイのゼリー) 80香港ドル
「鴨」の文字が店名に入るだけに、北京ダックを使った創作料理がメニューに揃っています。その中の一品「桂花糕凍伴鴨件」(カモとキンモクセイのゼリー)。
北京ダッグのスライスされたカモ皮に、キュウリ、キンモクセイのゼリー、プリングルス(?)が重なり、新感覚の美味しさを味わえると思いきや、挟まれているマヨネーズの味が全てを持っていっちゃいました〜。
あと、プリングルス(?)が土台というのがねぇ〜。この4ピースで80香港ドルなので、約2倍の値段150香港ドル出して、おとなしく、北京ダックを頼む方が良いかもしれません。
でも、口ではなく、目で味わいたい人にはオススメの前菜でした。ね、なんか、見た目にはすごくオイシイでしょ。
北京ダック前が出てくる前に、他もイロイロ食べていきますよ〜。
蟲草花炒翡翠苗(冬虫夏草と豆苗炒め)
冬虫夏草というキノコと豆苗(どうみょう)のあっさり炒めです。豆苗のシャキシャキ感を残した炒め加減が絶妙。味付けもあっさりで箸休めにちょうど良い一品です。
オレンジ色の冬虫夏草というキノコが入っているので、体にもいいのかなぁ?多分。
松子小煎鶏米(松の実と鶏のミンチ炒め) 118香港ドル
大きなお皿の真ん中に、松の実、鶏のミンチ、人参、キノコ、セロリが炒められた具と、表面にゴマがビッチリとまぶされた皮4枚が運ばれてきました。
ごまが一杯の皮と思っていたのは実は袋状になっていて、中にミンチ炒めを詰め込んで、パンパンにしてから、お口に放り込みます。
甘めのミンチ炒めの味付けも良く、ゴマの香ばしさ、松の実のコリコリッした食感と、なかなか美味しい一品となっていました。
ただ、ミンチ炒めの量が少々多く、ゴマ皮袋が足らなくなり、最後はミンチ炒めだけをそのままいただきました。
普寧炸豆腐(揚げ豆腐)
あげ豆腐は一緒に出されるスープにつけてからいただきます。あげ豆腐自体には味付けはさほどなく、塩味をスープで足してからいただく感じです。
さほど、感動もなく、普通のあげ豆腐だったな、という一品でした。
炸豆腐(揚げ豆腐)だと、西貢(サイコン)のミシュラン一つ星レストラン「六福菜館」で食べた「椒鹽奇趣豆腐」(塩胡椒味の揚げ豆腐)には敵いません。
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そろそろ、メインの北京ダックの時間です。
北京ダックを頼むと、もれなく鴨でダシを取ったスープが出て来ます。お豆腐が入った普通の塩味のスープです。このスープを飲みながら、北京ダックが焼き上がるのを待ちます。
烤北京填鴨 半羽 150香港ドル
さて、北京ダックがやってきました。「美中.鴨子 M&C DUCK」と系列の北京樓とかだとテーブル席の近くで焼き上がったダックをさばいてくれるので、その様子をテーブルから見ることが出来るのですが、ここではお皿に奇麗に盛られた状態で出て来ます。
北京ダックは皮がつやつやしていて、美味しそうです。
この他にも、セイロで蒸されたダックを包む皮、甘いタレとキュウリと白ネギが一緒に出て来ます。
セイロから皮を取り出し、パリパリに焼き上がった鴨皮とお肉、キュウリと白ネギ、そして最後に甘ダレを載せます。
そして、奇麗に包んでから、「ガブリッ」といただきます。
このレストランでは皮とお肉を分けて切ってくれています。皮だけを楽しみたい人は皮だけ、両方を一緒に楽しみたい人は一緒に包んで、好みに応じて食べることが出来るのがウレシイですね。
それにしても、お肉の分量がタップリ。
包む皮も15枚ぐらいたっぷりと入っています。
今回は半匹分の北京ダックを頼んだのですが、結構分量がありました。半匹分だと4人ぐらいのシェアでもちょうど良いかもしれません。
ちなみに、奇麗にさばかれた北京ダックは、店頭のブースで次から次へと捌かれています。こんなのを店頭で見ていたら、やっぱり、入って、食べたくなってしまいますよね。
北京ダックは最初にパリパリの皮を大きく切り取ってから、身をスライスして、それから皮も切ってお皿に盛っていくようです。
それにしても、ダックをさばいているオバチャンスタッフのが来ているTシャツ。ここにも鴨のイラストが。なかなかキュートでポップなタッチで、思わず、そのTシャツが欲しくなってしまいました。ね、分かるでしょ。
さぁさぁ、締めのご飯と麺の時間ですよ。
新疆羊肉湯麺(羊肉のウイグル・ラーメン) 78香港ドル
四川料理、上海料理が食べれると書きましたが、新疆料理(ウイグル料理)も食べることが出来るようで頼んでみました。
モチモチッとした麺、たっぷりの羊肉、そして上にはコリアンダーが載っています。羊肉と言っても、臭くはなく、しっかりした味のスープで、ずっと食べていたい麺でした。
ウイグル料理、恐るべし。
三鮮麻辣湯麺(蝦、ほたて、あわび入りピリ辛ラーメン) 78香港ドル
四川料理から選んだ麺です。まず、出て来て感じるのが、独特の香り。四川料理は、麻辣味で知られ、「辣」は唐辛子の辛みなのですが、最初の「麻」は山椒のシビレル味を表します。その四川の麻辣を香りからも分かるぐらい、山椒の香りが「プーンッ」として来ます。この香りで本場四川だ!というのが分かります。
そして、スープを口にしてみると、やはり、麻辣味が口に広がります。辛い味は良いのですが、山椒で舌がピリピリとしてきます。でも、加減が絶妙で、四川料理のアイデンティティである麻辣味になっているにも関わらず、他の料理の味が分からなくなるほどの山椒味ではないところがスゴイ。絶妙。
ただ、残念だったのが、蝦、ほたて、あわびの海鮮三種が小さくて、食べ応えがなかったことと、麺にコシがなかったこと。ん〜、スープが良かっただけに残念かな。
健康高繊炒紅米飯(高繊維食材と赤米のチャーハン) 98香港ドル
キャラメル・コーティングされたクルミの実、トウモロコシ、松の実といった高繊維の食材が入った赤米のチャーハンです。女子受けしそうで、確かに健康に良さそうなメニューですね。
クルミやとうもろこしでちょっと甘めの味付けですが、バランスも崩れずに美味しいチャーハンとなっています。
これはイケてるチャーハンです。
充実の中華デザート。 やっぱり、デザートは別腹でしたか。
「美中.鴨子 M&C DUCK」は中華デザートも充実。10種類から選ぶことができます。
楊枝甘露雪糕(楊枝甘露とアイスクリーム) 32香港ドル
マンゴとポメロ(≒グレープフルーツ/八朔)の実とタピオカがマンゴーピューレにゴロゴロッと入っています。甘くて酸っぱいツブツブの絶妙の味を楽しむことが出来る鉄板の中華スイーツです。外せません。
黒芝麻布甸(黒ゴマプリン) 28香港ドル
黒ごま、と来れば、お汁粉のレストランがほとんどなのですが、このレストランでは「プリン」。ちょっと珍しいので注文してみました。
かなり、密度高いドッシリとしたプリンで、食べ応えがかなりあります。胡麻の味が濃くて、なんだかチョコレートを食べているような印象を受けました。
これはこれで美味しい。
桂花紅蘋果(赤米を詰めたリンゴのキンモクセイ・シロップがけ) 36香港ドル
リンゴを丸まると使った見た目のインパクトで選んだスイーツ。なんだか、可愛くありませんか?
キンモクセイ・シロップにつかったリンゴを割ってみると中には、赤米が詰め込まれていました。
キンモクセイ・シロップとリンゴのコンポートの控えめな甘さと、赤米のもちもち感が総じて美味しいデザートでした。ローズティに良く合うデザートの一品でした。
いやぁ、インテリアとか内装の心地よさや、遊び心あるデザイン。そして、北京ダックを初め、中国各地から色々と選んで楽しめるお料理。そして、味も大きく外さない。そして、一人200香港ドルぐらいで色々と食べれるので、なかなか高ポイントのレストランではないでしょうか。実は2日間に渡って、色々と食べてみたのですが、まだまだ食べてみたいメニューがあるので、あと数回はリピート確定なお店でした。
香港観光旅行で来た人も、香港に住まいの人も、一度試して損はない外さないレストランだと思います。オススメ。
ただ、注文したものが次から次と出て来て、そんなに大きくないテーブルに料理が一杯になってしまう感じの給仕サービスなので、まっ、カジュアルに楽しめるレストランってところです。
次回は出てくるタイミングを見計らって、オーダーを分けて、時間差注文するぞ!