上環(ションワン)にある広東料理レストラン「名人坊 Celebrity Cuisine」は、ミシュラン2ツ星で、2011年に2つ星に昇格しています。
蘭桂坊(ランカイフォン)にないランカイフォン・ホテルにあります。
このレストラン、ランカイフォン・ホテル(Lan Kwai Fong Hotel)1階に入っているのですが、場所を間違い易いようなので、要注意なんです。このホテル、「ランカイフォン」と言いながら、場所が蘭桂坊(ランカイホン)ではないんですよね。西洋人が飲んだくれているランカイフォンからは徒歩で10分ほどの上環(ションワン)に位置しています。地元のオヤジ達で賑わうレストラン「蓮香楼」のすぐ隣に位置しています。また、輪をかけてややこしいのが、西洋人溢れる蘭桂坊自体にも「LKF Hotel」というホテルがあるんです。お出かけの際は、お間違いなく。
ランカイフォン・ホテルは、結構、こじんまりとしたホテルで、「こんなところに、人気のミシュラン2ツ星レストランがあるとは!」と思ってしまいました。
こじんまりとした店内。
さて、ホテルのエスカレータで1階(日本式で2階)に上がります。
扉が開くと、紫色をベースにした内装の店内に入ります。店内はこじんまりと、たった40席ほどしかなく、結構狭いです。
少ない席数と、多くの常連客のせいで、予約は結構取りにくいそうなので、行かれる際は、早めに事前に予約をしておいた方が良いようです。
箱の小ささもあって、パーティーで貸切になることもあるようです。
まずは、お通しとして、蘿蔔糕(ロウバッコー/大根餅)が運ばれてきました。一緒に出て来る赤くてピリ辛のチリソースをつけていただきます。風味が有って、美味しくいただけました。
チリソースと一緒に出て来たXO醤も味見してみると、これも貝柱から出るアミノ酸のうまみたっぷりの奥深い味わいで、ついつい箸が進んでしまいます。これだけで、ビールがついつい進んでしまう勢いです。
先日食べた夜上海のXO醤より甘み控え目で、より手作り感が溢れる印象で、お店によりそれぞれの個性があるんですねぇ。
美肌効果を期待しちゃえるツバメの巣たっぷりの手羽先
このお店の名物料理「燕窩醸鳳翼 – ツバメの巣詰め手羽先」を注文します。
この鶏の手羽先の中に、燕の巣を入れて、外をカリカリに揚げたお料理です。
カリっとした外側をかじると、中からツバメの巣が出て来ました。
ツバメの巣自体には味はないので、その食感を楽しみます。モグモグ。コラーゲン補給、美肌効果をちょっと期待してみたりします。
この燕の巣手羽先、お1つ 120ドル(1、200円)になります。さすがは、ツバメの巣、高級食材の一つというだけあり、良い値段します。
巨大揚げワンタンに潜むカニ味噌
次に、「大良蟹盒」蟹のすり身の挟み揚げ を頼みました。
見た目は、香港人が大好きで、飲茶の際によく見かける揚げワンタンの大きい版、という様子です。
かじってみると、まさしく大部分が揚げワンタンで、中に蟹ミソが入っているのが、普通の揚げワンタンと唯一異なるところ、かもしれません。
揚げワンタン好きな香港人には堪らない一品かもしれませんが、そうでない方に取っては、揚げワンタン部分が多く、ちょっとバランスが悪く感じてしまうかもしれません。
何時までも飲んでいたい至福のスープ
さて、次に今日のスープを頼みました。
澄んだ色をした旨みたっぷりの素晴らしいスープでした。たくさんの魚の干物などで出汁を丁寧に取っているんでしょうね。深くて美味しい味わいが口の中に広がって、幸せになります。最後の一滴までをもったいなく思う程、久々に美味しいスープでした。脱帽です。
また、飲みたい。
シンプルながらもしっかりとした味わいの伝統的な広東料理
次に、「頭抽皇大蝦」極上醤油の車エビ炒め を頼みました。すると運ばれてきたのは、立派な大ぶりの車海老。
iPhoneと並べてみるとその大きさが分かります。
エビが大ぶりだから、味も大味か、と思いきや、甘いお醤油の味付けて、なかなかパクパクと食べてしまっちゃう美味しさでした。
エビも大きいだけあって、おミソまでいただくことができましたよ。
普通に美味しいチャーハン。やや普通すぎるか?
今日のお料理の締めに、「富哥招牌炒飯」料理長お勧めチャーハン を頼みました。出て来たのは、本当にベージックで、シンプルな海老チャーハン。
ぱらぱらとしたご飯と、適度な味付け。普通の美味しいチャーハンでした。この普通に美味しいが難しいんでしょうけどね。
ご飯も食べ終わったところで、季節のフルーツが運ばれてきました。
あま~いスイカと、甘酸っぱい大ぶりなポメロでした。
美肌には、このデザートで〆るのがイイかも。
デザートも、このお店らしい一品をと思い、「官燕紅豆沙」ツバメの巣のあずきしるこ を頼みました。
注文したのがお料理の後半だったのですが、フルーツが運ばれてきても、まだツバメの巣のおしるこが出てこず長らく待つこととなりました。ツバメの巣は、乾物なので戻すのに時間がかかり、遅くなったんでしょうね。試してみたい方は、なるべく早めに注文しておくと良いかもですよ。
で、お味の方は普通のお汁粉に、無味のツバメの巣がてんこ盛りに入っている一品でした。ツバメの巣自体には味が無いので、必然的にお汁粉の味でいただく単調な味のデザートなのですが、このツバメの巣のボリュームはコラーゲンたっぷりで女性にはウレシイ締めの一品かもしれません。
店名通り、お値段も高級。
今日は、二人で6品頼んで、1,346香港ドル(約1万4千円)でした。
このお店「名人坊 Celebrity Cuisine」は、乾物を使ったお料理が得意のようで、ナマコの鮑ソースがけや、ふかひれ、鮑といった高級中華食材が使ったお料理が今日頼んだメニューに載っています。こういった乾物の食材は、いろんなランクを取り揃えていて、最上級アワビだと、一つで9万円といったお値段が付いていたりします。香港人のお金持ちに大事にされているお店という感じなんですかね。
伝統的な広東料理を楽しめて、マズイ料理はないのですが、普通な内装、普通なサービスのスタッフ、普通なお料理の見せ方で、「明閣」 Ming Court であったお料理を楽しむワクワクがちょっと無かったのが残念です。
個人的には、星一つで充分かな。でもあのスープはまた飲みたい。