香港土産といえば、何ですかねぇ。
中国茶のティーバッグ、香港でしか買えない味の出前一丁、刺繍入りポーチとかのしょうもない中国雑貨、はたまたタイガーバームやXO醤やオイスターソースといった中華調味料。
最近では、ペニンシュラのチョコとかもあるかもしれませんね。
今日は、数ある香港土産の中から、「かさ張り」、「壊れ易く」、「持帰りに苦労する」という、もらってウレシイとっておきの逸品を紹介してみたいと思います。
目指すは、地下鉄北角駅(ノースポイント)のすぐ近く、歩いて5分弱のところにある小さな店です。
で、お店に着きました!
屋号は、『徳成號』(Duck Shing Ho)といいます。
このお店、香港内でチェーン展開することもなく、宣伝もしていません。それにも関わらず、予約注文分でほぼ売り切ってしまうという密かな有名店なんです。
こんなお店で買ったお土産をもらったら、なんだか嬉しくありませんか?というか、絶対ウレシイはずです。
で、このお店、『徳成號』は何屋さんかというと、鶏蛋巻(Gai Daan Gyun)(エッグロール)屋さんです。
エッグロールはですねぇ、日本でいうと、ブルボンの「ルーべラ」あたりが一番近い感じですかね。(でも、やっぱり違いますけどね)
ブルボンの「ルーべラ」
日本を代表する製菓メーカー「ブルボン」の誇る六大ブランド「エリーゼ」「ルーベラ」「ホワイトロリータ」「ソフスイート」「エルフィーユ」「ブランチュール」のうちの一つ。
「ルーベラ」の意味を調べたところ、「ルーベラ」は造語とのこと。しっかりした意味はない模様。イメージ?
ちなみに、ラテン語で「ルーベラ」(ruber)は、「赤色」。ルビーの語源となっている。
でも、お菓子の「ルーベラ」は、どう見ても赤くないです。
お店はなんだか問屋のような感じで、あまり商売っ気を感じません。
実際に、店内で入ってみても、客は私一人。
まぁ、予約注文で配達して販売するのがほとんど、ということであれば、お客さんが直接お店に来ることも少ないのでしょう。ナットクです。
実は、このお店、噂ではオーダーしてからお届けまで、2週間ほどかかるんだとか…。
旧正月などのお進物のシーズンだと1ヶ月待ちになることもあるとのこと。
店頭でも買えることは買えます。(運が良ければ…)
ただ、店頭売りの数が限られているのか、何なのか、飛び込みで行くのであれば、午前中に行く方が良いようです。
まぁ、わざわざ北角のお店まで買いに行っても、予約分のみで品切れ・・・orz ということオチかもしれませんけどね。
それにしても、お店の中にはたくさんの商品が山積みです。
もしや、今日は買える?
徳成號(Duck Shing Ho)のエッグロールは、3種類の味あります。
・家郷雞蛋巻(オリジナル)
・鮮牛油蛋巻(バター)
・鮮椰汁蛋巻(ココナッツ)
で、あと、各々の種類で、1ポンド入りと、2ポンド入り缶があります。
(1ポンド = 453.59237 グラム)
値段 | 2ポンド | 1ポンド |
---|---|---|
家郷雞蛋巻(オリジナル) | 85香港ドル | 46香港ドル |
鮮牛油蛋巻(バター) | 91香港ドル | 49香港ドル |
鮮椰汁蛋巻(ココナッツ) | 93香港ドル | 50香港ドル |
今日は、3種類とも買うことができました。
意外に大丈夫なのかっ?それとも、たまたま運良く買えただけなのか…?
もうなんか、包み紙からして昔懐かしテイストでイイ感じです。その包み紙を開けると、さらに中の缶もなんだか時代遅れのデザイン。もう、胸キュンです。
新しさだけを求めずに、こういった昔ながらの香港のテイストも廃れずに残っていって欲しいものです。
ちなみに、包みを開けたのは、1ポンド缶のバター味です。
材料は卵・砂糖・小麦粉。あと、この写真は、バター味なので、バター、と。
あらっ、意外と簡単。余計なモノが入ってないということは、俗にいう、「飽きのこない味」なんでしょうねぇ。期待ができます。
しかも、保存料が入っていないことも魅力的です。最近は良く分からないもの入っているお菓子も多いですしね。安心していただけます。
ふと、思ったのが賞味期限。
手を加えていない分、足が速いのかな、と思ったら、あら意外。
5月に買ったんですが、賞味期限は8月末。3ヶ月も持ちます。
でも、後で気づいたのですが、パクパク食べちゃって、1週間たったら、食べきっちゃいますね。結局のところ、あんまり賞味期限は、関係なかったようで…
では、お待ちかね。食べましょう。食べましょう。
あっ、缶のふた、めちゃくちゃ硬くはまっています。
決して、手では外せない勢いです。
んー、マイナスドライバーか、あー、そうですね、スプーンの先でもふたの隙間に差し込んで開けましょう。
パカッ! 開きました~!
鶏蛋巻が、お行儀宜しく並んでいます。そこからは、かすかな甘~い匂いと、バターの良い香りが気持ちを高ぶらせてくれます。
この写真で分かります?分かりにくいかなぁ。
なんだか、モロモロなんですよ。
うすーく焼いた生地を幾層かクルっと丸まっているんですが、その生地の薄いこと。
こんな薄い生地のエッグロールは見たことないですよ。なんか薄すぎて、ところどころ、多分、気泡で出来た穴が開いているんです。
もうここまで薄いと、ブルボン「ルーベラ」では薄さで太刀打ちできません。
そんなこと言ってばかりおらずに食べてみましょう。
「ポロッ」
「サクサクッ」
ん~。
これ、いいです。何本でもいけるクチです。
このね、薄く重なったサクサクの生地が口に入ると、ほんのりバター味と主張しすぎないほんのりな甘さ。
嫌味がないです。なんだか軽やかな後味、とでも言うんですかねぇ。このしつこさのない後味は、あと一本、あと一本と、ついつい手を缶の中に突っ込んでしまいます。これは要注意ですね。
なんだか、スーパーやデパートとかで売っている市販のエッグロールには、もう戻れない舌になったかもしれません。あー、罪作りな徳成號。
あと、こんな小分け用の袋もつけてもらえます。
こんなデザインだと、昔ながらの老舗って感じで、ちょっともらう人も心躍るですよ。
でも、気をつけてください。
これ、サクサクの食感は食感で美味しいのですが、逆に持ち運びする時も、相当気をつけないと、サクサクがボロボロになるということ。ちょっと、日本まで持って帰ったのですが、最下段が粉砕。涙です。
でも、これは一度は食べて欲しいエッグロールなので、「かさ張り」、「壊れ易く」、「持帰りに苦労する」んでも、是非とも一口。